有山徹著「新しいキャリアの見つけ方」を読んだ

キャリアについて悶々としていたところ以下の記事を読み、
スピーカー有山徹氏の著書のタイトルに惹かれたため、買って読んでみた。 logmi.jp

本書では「プロティアン・キャリア戦略」をキーワードに、
VUCA時代のキャリア形成の考え方や、自分の武器・価値を見える化する「キャリア資本」の概念、キャリア戦略の練り方について書かれている。
個人的に、読んでいて勉強になったポイントをいくつか紹介する。

自分は”自分”という企業の経営者である

書籍「SOFT SKILLS*1」でも似たようなフレーズが登場する。

自分のことを事業者だと考えるようになると、自分という事業のために優れた判断を下せるようになる。

「SOFT SKILLS」はソフトウェア開発者向けの書籍なので、以下のような事が書かれていた。

  • 事業者としての読者が提供しているサービスは、ソフトウェアを開発する能力だ
  • 他のソフトウェア開発者と同じにならないために、何をやったらよいか

「SOFT SKILLS」を読んだ時は差別化の部分について、自分の中であまり具体的にイメージできなかった。
本書ではマーケティングの手法にのっとって、自分の持っている「資本」を棚卸しすることが書かれている。 資本とは以下の5つを指す。

  • もの
  • 情報
  • 時間

"自分"という企業の経営者として、5つの資本をどのように配分するかが差別化に繋がるんだ、と理解できた。

プロティアン・キャリア資本

プロティアン・キャリアでは、「もの」「人」「金」を"自分"に照らし合わせて、以下のように考えるという。

  • もの→知識/経験(ビジネス資本)
  • 人→人的ネットワーク(社会関係資本
  • 金→貯金/資産(経済資本)

ビジネス資本とは専門的なスキルや特定の業種や業界での経験のことを指す。
プロティアン・キャリアではビジネス資本と同等に社会関係資本が重要だと言う。
本書の中では仕事は、急に空から降ってくるものではなく、人との関係性のなかから生まれます。と語られているが、人づてに仕事を紹介してもらえる人などを見ていると、実感としてもその通りだと考える。

またキャリア資本のなかで、誰にでも平等に与えられているものが「時間」です。とあり、
自分が何にどのように時間を使っているか棚卸しし、目標とするキャリア資本を蓄積するまで 何にどのくらい「時間」と「お金」を使うのか配分する事がキャリア戦略であると書かれている。

30代後半になって初めて発信活動を始めたら人生が変わった人の話

qiita.com

最近Qiitaでこのような記事を読んだ。
技術記事を書き、コミュニティへ参加し、イベントに登壇するようにしたら人生が楽しくなった、というものだ。
記事の主旨とは違うかもしれないが、人的ネットワークを広げて時間の配分を変えることで、心理的成功に繋がった良い例だと感じた。

終わりに

本書では新しいキャリアを見つける上で助けとなるよう、様々なワークが用意されている。
まずは紹介されているワークを通じて過去のキャリアを棚卸しするところから始めてみたい。

本文の中で触れた「SOFT SKILLS」は、私が30歳の頃に読んで転職を考えるきっかけになった本だ。
最近第2版が出たようなのでいずれ読んでみたい。

*1:私が持っているのは第1版なので、第2版ではこの記述は無くなっているかもしれない。